温泉で癒されたい! 温泉を楽しむコツブログ♨

ちょっとした温泉知識でより温泉を楽しく効果的に

温泉って飲めるの?貧血や胃腸に効く泉質と飲むことができる飲泉をご紹介!

 

温泉水

温泉って飲めるんです(飲用可の場所のみ)。体調に合わせて飲む温泉を選びましょう。

 

飲むことができる温泉「飲泉」とは

日本の各地にある温泉はそれぞれ特徴があり、10種類の泉質に分類されています。泉質によって効能が違いますが、入浴することで体に良いものだけでなく、飲むことで体調を改善してくれる温泉があります。そのような飲むことができる温泉を「飲泉」といい、飲用可能な温泉の場合は飲用の許可が掲示されています。温泉旅行を計画するときにはそこの温泉が飲泉であるか調べてから行くと、温泉の楽しみが増えるのではないでしょうか。

 

日本の「飲泉」の歴史

伊香保温泉

伊香保温泉には飲泉ができる場所があります。

飲泉の歴史は古く、日本では飛鳥時代持統天皇によって飲泉を促され多くの民の病を救ったと「日本書紀」にもかかれているほど。それ以降は文献による「飲泉」の記述はほとんど見当たらないそうですが、武田信玄織田信長豊臣秀吉など有名な戦国大名が好んで温泉に入っていたことはよく知られていて、きっと飲泉もしていたのではないでしょうか。その後江戸時代書かれた文献で飲泉の記述が見られるものが発見されました。そこには注意事項や温泉の効果なども書かれているようです。明治時代に入るとドイツ人医師ベルツによって群馬県伊香保温泉で飲泉が開始され、飲泉量、施設などが「日本鉱泉論」(明治13年)に記述されたことで、飲泉が広まったといわれています。

 

ヨーロッパでは飲泉が主流

日本と同じようにヨーロッパ各国でも温泉療養はさかんです。ヨーロッパの温泉の歴史としては、紀元前500年頃にギリシャで温泉に入った記録があるといい、その後「テルマエ・ロマエ」でもおなじみのローマ帝国では温泉による療養、娯楽が盛んにおこなわれていました。いまでもヨーロッパ各地にある温泉地はにぎわっていますが、たいてい水着を着て入るものが多く、長期間滞在する保養地のように使われています。現地には温泉の泉質に対する専門家「温泉医」がいて、入浴方法や入浴に適した時間なども教えてくれるそう。また、チェコでは入浴するというよりも飲泉がメジャーで「飲泉カップ(スパカップ)」という温泉を飲むためのコップがあるのも特徴。コップの持ち手がストローになっていてお湯を一気に飲み干さないように、冷ましながら少しずつ飲めるようになっています。決まった時間に決められた量の温泉水を一定期間飲むことで、体調の改善を図るという風に使われます。飲泉カップを持って、いろんな温泉を回りながらそこにいる人たちとコミュニケーションをとることも温泉の楽しみ方と言われています。

 

飲泉をするときに気を付けなければならないこと

現在、日本各地にある温泉を飲む場合は、都道府県の判断で温泉の飲用許可を出すことになっています。環境省から出された飲泉の基準があり、許可がないところでは温泉を飲んではいけません。また、ヨーロッパなどでは飲泉の文化が盛んで、飲泉する際にも現地にいる医者のような専門家から適切な指導を受けることができますが、日本ではそういったことはなく個人の判断に任されています。むやみに飲んで逆に体調を崩してしまわないようにしなければなりません。以下は温泉協会が提示している注意事項です。よく読んでから飲泉するようにしましょう。

 

  • ① 飲泉療養に際しては、専門的知識を有する医師の指導を受けること。また、服薬治療中の人は、主治医の意見を聴くこと。
  • ② 15歳以下の人については、原則的には飲用を避けること。ただし、専門的知識を有する医師の指導を受ける飲泉については例外とすること。
  • ③ 飲泉は決められた場所で、源泉を直接引いた新鮮な温泉を飲用すること。
  • ④ 温泉飲用の1回の量は一般に100~150mL程度とし、その1日の総量はおよそ200~500mLまでとすること。
  • ⑤ 飲泉には、自身専用又は使い捨てのコップなど衛生的なものを用いること。
  • ⑥ 飲泉は一般に食事の30分程度前に行うことが望ましいこと。
  • ⑦ 飲泉場から飲用目的で温泉水を持ち帰らないこと。
  • ⑧ 飲用する際には、誤嚥に注意すること。誤嚥とは、うがいや焦って飲むことなどにより、肺や気管に水分を吸い込んでしまうことをいう。なお、嚥下障害を発症している人は飲泉を行わないこと。

 

出典:温泉で注意すること(飲用編)/日本温泉協会

 

貧血に効くとされている泉質「含鉄泉」とは

貧血女性

立ちくらみなどつらい貧血には含鉄泉

「含鉄泉」とは、その名の通り鉄の成分を含む温泉のことで、「鉄泉」と呼ばれることもあります。温泉のお湯自体は無色透明ですが、空気に触れると酸化して茶色く濁ります。鉄がさびたようなにおいがすることが特徴です。鉄はもともと体内に吸収されにくい性質をもちますが、含鉄泉を飲用すると胃酸の分泌を高めることで鉄を吸収しやすくなります。不足している鉄分を補うことができるので、貧血に効果があるとされています。また、含鉄泉は保温効果が高いことでも知られています。よく温まるためリウマチ、更年期障害、慢性湿疹といったものにも効果があるとされています。入浴するだけでも造血作用が促されるので、貧血はもちろん月経障害の改善にも有効といわれています。含鉄泉は全国的に少ない泉質の温泉ですが、貧血にはとても有効な温泉です。

含鉄泉を飲泉できる温泉地

胃腸に効くといわれている泉質「塩化物泉」と「二酸化炭素泉」とは

お腹が痛い女性

胃腸の不調を感じたら飲泉してみるのもおすすめ

胃腸の調子があまりよくないと感じたときに飲むと効果のある泉質は「塩化物泉」二酸化炭素」です。「塩化物泉」のお湯の特徴は、無色透明で塩分が多く含まれています。日本の温泉では一番多い泉質と言われ、湯冷めしにくく「熱の湯」といわれています。飲泉すると胃腸の運動が活発になり、胃腸病や便秘の改善などに効果があるとされています。食塩が多く含まれているので、高血圧、心臓病、腎臓病などのある人は飲まないようにするか医師に相談してから飲むようにしてください。二酸化炭素泉」のお湯の特徴は、その名の通り炭酸のシュワっとした感触を楽しめる温泉です。飲用すると炭酸のさわやかなのど越しも楽しめます。炭酸が胃腸を刺激してくれるので、胃の動きも活発になり不調を和らげてくれるでしょう。

 

塩化物泉と二酸化炭素泉を飲泉できる温泉地

<塩化物泉>

  • 男鹿温泉(秋田県
  • 指宿温泉(鹿児島県)など

二酸化炭素泉>

 

まとめ/温泉を飲むときの注意点

温泉の水

飲用可となってていても入浴用の温泉水は飲んではいけません。
  • 入浴する温泉のお湯は飲まない…飲用可となっていても、入浴用の温泉を飲んではいけません。体の中に入れるものなので清潔なものでなければならないからです。必ず飲用できる新鮮なお湯を飲むようにしましょう。
  • 毎日同時刻に飲むほうが効果的…薬などもそうですが、一定期間飲まなければ効果はあまり感じられません。1日200㎖を上限とし、毎日同時刻に飲むことが飲泉の効果を得られる基本とされています。また、ゆっくりと10分ほど時間をかけて飲むほうが体に負担はないそうです。なかなか毎日飲むことはハードルが高いですが、ペットボトルなどでも温泉水は売られていますので購入して習慣にしてみてもよいですね。
  • 泉質を確認する…温泉の泉質によって効能が変わるので、自分がどんな効果を得たいのかきちんと確認してから飲泉をするようにしましょう。
  • 禁忌症がある人はお医者さんに相談してから…禁忌症をもっている人は飲泉をしてはいけない場合もあります。持病のある方は飲泉により体に悪影響を及ぼす場合もあるので、必ず医師に相談して許可を得てから飲泉するようにしましょう。

手軽に楽しめるペットボトルの温泉水も

ペットボトルを持つ女性

ペットボトル入りの温泉水も試してみては!

いかがでしたか。温泉はつかるだけではなく飲むことで体の中からも効果を感じることができます。もしもなかなかその温泉地までいけない時は、ペットボトル入りの温泉水などもあるので試してみてもよいかもしれません。日本ならではの温泉の恵みを取り入れることで健康的な毎日を過ごしましょう。